日本心理臨床学会若手の会にコラム投稿

お知らせ

日本心理臨床学会の若手の会のシンポジウムに参加した縁で、若手の活動を紹介するコラムに寄稿する機会を得ました。ワードでもPDFでもなぜか晴れなかったので、コピーして以下に紹介します。

第11回コラム

この心自分のもの 世界をどうにでも 作り変える

 初めまして。中原元気(なかはらげんき)と申します。広島県でスクールカウンセラーをして5年目になります。タイトルはBUMP OF CHICKENの“Butterfly”の歌詞です。この世界をどう作っていくかは、自分の心が決めるのだろうと思います。私は困っている子どものために仕事をすると決めて臨床心理士になりました。この度、私のもがきと思いについてお伝えさせていただきます。

 学校現場での臨床は勤務日数も時間も少ないので、難しいことも多いです。ですので、スクールカウンセラーとして何ができるのか模索する毎日です。私はこれまで臨床心理士の視点を現場にお伝えすることが、子どもや学校への貢献になると思えることを提案してきました。例えば、コミュニケーションの取り方等の授業をさせてもらったり、教室にいくことが難しい子どもたちのために教育相談室を作ったり、職員のメンタルヘルスの向上のためにマインドフルネスを紹介したり、これまでになかった教育相談委員会を設置したりしました。また、不登校の子には、畑をかりて休日に一緒に農業をしました。

 今、私は学校という巨大組織の枠組みの中で対応が難しい発達障がいの支援のために、法人を設立して放課後等デイサービスを運営しています。こちらも多難でした。まず、国からの助成金をメインに運営しているので、審査が大変厳しかったです。尾道市は昨年火事が続出し、その影響で消防の認可が出ず、思い通りにならない怒りの炎を自ら消火する日々でした。ようやく開所に至っても、資金繰りの心配など、これまで体験したことのない葛藤があります。しかし、登校できない子どもが当事業所で笑顔を見せてくれたり、子どもが寝られるようになったと保護者から感謝されることもあり、やってきてよかったと思っています。

若手が臨床活動をする意義は挑戦することだと思います。しかし、挑戦は一人ではできません。私のこれまでの挑戦も多くの温かいご支援があったからできました。これから、若手の会の方々と互いに刺激し、支え合いながら、そして学会から温かい目で見守っていただきながら社会貢献のために尽力していきたいと考えています。よろしくお願いいたします。

執筆者:中原元気(広島県スクールカウンセラー・株式会社ユグドラシル)